子どものSOSを社会で受け止めたい。夏休み明けの9月1日問題。
私たちが毎年話題にする「9月1日問題」
9月1日問題とは、夏休み明けの9月1日は子どもの不登校や自殺が最も多いという社会問題です。
少し古いですが、下記のようなデータがあります。
参考:18歳以下の日別自殺者数
https://www.mext.go.jp/content/20200824-mext_jidou01-000009294_011.pdf
子どもたちはSOSを自ら発信できないケースもとても多くあります。
また、保護者だからこそ見逃してしまう、将来の心配から無理させてしまうということもよくあります。
決して保護者を責めるのではなく、社会全体の問題として捉え、身の回りの子どもの様子を多くの大人が見守れるような社会に。
私たちはそう考えています。
また、幼少期からレジリエンス(困難な状況に際しても、それに向き合い克服する力)を鍛えることも大切だと言われています。
これについては、下記の記事もご参照ください。
令和4年度のデータでは、小・中学校における不登校児童生徒数は244,940人(前年度196,127人)。
前年比でなんと25%も増加しています。
この人数は児童生徒全体の2.6%となり、50人に1-2人は不登校という数値になります。
決して喜ばしい数値ではありませんが、一方で突然限界を迎える前に不登校を選べるようになった。という見方もあります。
参考:令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果概要
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1302902.htm
家族だけでなく、多くのサポートの力で子どもたちを守れるように、下記に記載する相談先の活用が望まれます。
担当者も人間。相性が合わないというケースも度々生じています。
本来はそういったことはなるべく減らせねばなりませんが、残念ながら現状ではまだまだ難しい状況です。
保護者の皆様においては、疑問や不満を感じた際は、助けを求めることを諦めるのではなく、別の窓口や別の担当者に変わってもらうなど、必ずどこかの支援機関につながっていられるよう、複数の窓口の存在を知っておいていただければと思います。
大げさすぎるのでは、迷惑かけているのでは?と考えるご家庭も多いですが、子どもを守る行動は決してわがままや、間違いではありません。
日本は核家族化が進み、他国よりも家族から支援を受けにくい環境での子育てだと言われています。
周囲の大人全体で、子どもたちを見守るという社会にするため、毎年の情報周知は続けていきたいと思います。
<小学生以降の学校の先生以外の相談先>
・スクールカウンセラー
教師とは別に、学校で生徒の心理的なサポートを専門に行います。
子どもはもちろん保護者との面談や相談も対応している場合がほとんどです。
全国の自治体で広がっていますが、毎日常駐していなかったり、新しい職業なため、担当者の能力の幅が大きすぎることも不安視されている問題もあります。
とはいっても、まずは一番身近な相談先。まずは学校や自治体に問い合わせて利用を検討してみるのも良いと思います。
・教育支援センター
教育委員会が設置している、教育に関するサポートを行う施設です。
教員免許を保持する職員が多く、在籍する学校に通えない児童や生徒の通室やカウンセリングなどをメインとしています。
また、保護者のカウンセリングや相談などにも対応している施設もあります。
ただし、支援の充実度は地域差が大きいのが現状です。
・子どものSOS相談窓口
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06112210.htm
・18歳以下のみなさんへ、孤独・孤立対策担当室チャットボットWEB (文部科学省)
https://www.notalone-cas.go.jp/under18/
お子さまが、自分で誰かに話したい。親や先生以外の人になら話せるかも、という場合はこちらを検討してみても良いかもしれません。
SNSでの相談窓口も開設されていますので、特に中高生以上では、LINEなどテキストなら話しやすいというお子さまも多くいらっしゃると思います。
・不登校やいじめ、ひきこもりなどの相談窓口(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/consultation/window/window_02.html
・NPO法人 登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク
http://www.futoko-net.org/
・チャイルドライン(18さいまでのこどもがかけるでんわ)
https://childline.or.jp/